Party Syndromeの現場に踊る足跡の記録。
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Twitter300字SS 第十九回参加作品
お題「別れ」
ジャンル:オリジナル/原作なし
注意書き:特に無し
---
遠い昔、公園を散歩していて、変わった形の落ち葉を拾ったことがあった。
一緒に歩いていた祖父が、それはユズリハだと教えてくれた。
まだまだ幼かった僕は、その名前の由来や縁起のことを理解できなくて、ただ祖父の自慢気な口ぶりだけを後々まで覚えていた。
やがて祖父から父へ、そして僕へ、家督も財産も巡ってきた。
黒い額縁の写真が並んだ部屋で一人思う。
次の世代のためにさっさと身を引く。何が潔い姿勢だ。こっちは一度だって、もう譲ってくれなんて言ってないのに。
僕は立ち上がると、障子を全開にして、煙草に火をつけた。
庭に紫煙が踊る。
吸うのは今日で最後にしよう。僕はいきなり全てを置いていくような別れ方なんか絶対したくない。
お題「別れ」
ジャンル:オリジナル/原作なし
注意書き:特に無し
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遠い昔、公園を散歩していて、変わった形の落ち葉を拾ったことがあった。
一緒に歩いていた祖父が、それはユズリハだと教えてくれた。
まだまだ幼かった僕は、その名前の由来や縁起のことを理解できなくて、ただ祖父の自慢気な口ぶりだけを後々まで覚えていた。
やがて祖父から父へ、そして僕へ、家督も財産も巡ってきた。
黒い額縁の写真が並んだ部屋で一人思う。
次の世代のためにさっさと身を引く。何が潔い姿勢だ。こっちは一度だって、もう譲ってくれなんて言ってないのに。
僕は立ち上がると、障子を全開にして、煙草に火をつけた。
庭に紫煙が踊る。
吸うのは今日で最後にしよう。僕はいきなり全てを置いていくような別れ方なんか絶対したくない。
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Twitter300字SS 第十八回参加作品
お題「光」
ジャンル:オリジナル/原作なし/日常の一コマ
注意書き:特に無し
---
出会った瞬間の彼女について、後光が差していた、と男は言った。
彼女の魅力を全力で熱弁する姿は天使か女神との遭遇を語るようだった。
何事にも消極的な性格のはずなのに、今回は誰にも相談しないで告白に踏みきれたというから恐れ入る。
出会った瞬間の彼について、やけに目が輝いていた、と女は言った。
彼との出来事を列挙する語り口は珍しい生き物を拾った話のようだった。
最初は全く興味がなかったのに、連日の猛アタックに気圧されついに根負けしたというから恐ろしい。
二人共が私の知人で、私はどちらの本性も知っている。
喫茶店のカウンターの奥で、強い西日に目を細めながら今日も待つ。
さあ、今日はどちらが惚気話を持ってくるだろうか。
お題「光」
ジャンル:オリジナル/原作なし/日常の一コマ
注意書き:特に無し
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出会った瞬間の彼女について、後光が差していた、と男は言った。
彼女の魅力を全力で熱弁する姿は天使か女神との遭遇を語るようだった。
何事にも消極的な性格のはずなのに、今回は誰にも相談しないで告白に踏みきれたというから恐れ入る。
出会った瞬間の彼について、やけに目が輝いていた、と女は言った。
彼との出来事を列挙する語り口は珍しい生き物を拾った話のようだった。
最初は全く興味がなかったのに、連日の猛アタックに気圧されついに根負けしたというから恐ろしい。
二人共が私の知人で、私はどちらの本性も知っている。
喫茶店のカウンターの奥で、強い西日に目を細めながら今日も待つ。
さあ、今日はどちらが惚気話を持ってくるだろうか。
Twitter300字SS 第十七回参加作品
お題「年の瀬」
ジャンル:オリジナル/原作なし/日常の一コマ
注意書き:しいて言うなら若干テーマからズレたかもしれない
---
《急に予定が空いた。付き合え》
クリスマスの翌日、残業を免れ定時に会社を出た矢先に、このメール。
相手は学生時代の友達で、同期で飲むときに会う程度の間柄だ。でも女から男にこんなメールが来たらそりゃいろいろ想像するだろ。
待ち合わせの駅前はLEDを全身に纏った街路樹に包囲されていた。
「お待たせ」
ニットを着込んだ彼女が可愛い。金色に輝く大通りを並んで歩く彼女が眩しい。
ところが某高級ブランドの路面店に入るや、嵐のような買い物が始まった。服屋のハシゴ。増えるクリスマス柄の袋。持つのは全部俺。
まさかと思いつつ駅前に戻ったら、宅配屋に荷物を全部預けた後、お役御免を言い渡された。
一瞬でも甘い想像をした俺が馬鹿だった。
お題「年の瀬」
ジャンル:オリジナル/原作なし/日常の一コマ
注意書き:しいて言うなら若干テーマからズレたかもしれない
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《急に予定が空いた。付き合え》
クリスマスの翌日、残業を免れ定時に会社を出た矢先に、このメール。
相手は学生時代の友達で、同期で飲むときに会う程度の間柄だ。でも女から男にこんなメールが来たらそりゃいろいろ想像するだろ。
待ち合わせの駅前はLEDを全身に纏った街路樹に包囲されていた。
「お待たせ」
ニットを着込んだ彼女が可愛い。金色に輝く大通りを並んで歩く彼女が眩しい。
ところが某高級ブランドの路面店に入るや、嵐のような買い物が始まった。服屋のハシゴ。増えるクリスマス柄の袋。持つのは全部俺。
まさかと思いつつ駅前に戻ったら、宅配屋に荷物を全部預けた後、お役御免を言い渡された。
一瞬でも甘い想像をした俺が馬鹿だった。
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Twitter300字SS 第十六回参加作品、その2
テーマ「写真」
ジャンル:オリジナル / 何気ない日々の一場面
注意事項:web掲載中の長編「DROPOUT」番外編 / 一応、本編未読でも大丈夫 / なお主役は弟です
---
春の彼岸の墓参り。
西原家一同が駅へ向かう帰り道を歩いていると、一緒に来ていた友人の柏木が突然足を止め、一家を呼んだ。
「見てください、とてもきれいでしょう。せっかくですからここで写真撮りませんか」
彼が指差した先に、満開になった桃の木。
嫌いな奴と一緒に写真なんて。サイガは渋ったが、柏木に諭された。
「来年も同じものを見られるとは限らない。撮れる時に撮らないと」
祖父母が中央、両親がその後ろ。子供は両脇。
姉弟の位置で少しもめてから、全員仲良く、桃の木の下に収まった。
春の陽気を包んだ写真は仏壇の横に飾られた。
しばらくしてサイガの父が家を出て行った。
それ以来、全員揃っての墓参りはもう何年も果たされていない。
テーマ「写真」
ジャンル:オリジナル / 何気ない日々の一場面
注意事項:web掲載中の長編「DROPOUT」番外編 / 一応、本編未読でも大丈夫 / なお主役は弟です
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春の彼岸の墓参り。
西原家一同が駅へ向かう帰り道を歩いていると、一緒に来ていた友人の柏木が突然足を止め、一家を呼んだ。
「見てください、とてもきれいでしょう。せっかくですからここで写真撮りませんか」
彼が指差した先に、満開になった桃の木。
嫌いな奴と一緒に写真なんて。サイガは渋ったが、柏木に諭された。
「来年も同じものを見られるとは限らない。撮れる時に撮らないと」
祖父母が中央、両親がその後ろ。子供は両脇。
姉弟の位置で少しもめてから、全員仲良く、桃の木の下に収まった。
春の陽気を包んだ写真は仏壇の横に飾られた。
しばらくしてサイガの父が家を出て行った。
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プロフィール
HN:
Rista
HP:
性別:
非公開
自己紹介:
化屋月華堂(親サイト)&カフェ「パーティ」(子サイト)管理人。今のところ活動は後者の方が活発。
一応今は社会人なので控えめに動いてるつもりだが、その割に子供じみた言動も多々ある。自覚あり。
ちなみにブログ名は“カフェパにのめり込んで離れられなくなった人”を指す造語に由来。
あなたは大丈夫ですか?
一応今は社会人なので控えめに動いてるつもりだが、その割に子供じみた言動も多々ある。自覚あり。
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