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Party Syndromeの現場に踊る足跡の記録。


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続き。

来月からさらに間が空きそうな気がする。
夏祭りも正直ほとんど顔を出せない可能性が出てきた。出来て昼間。
以前あったダイスチャットのような過去ログ保存機能を実装できればいいんだけど、まずCGIの勉強が追いつかないかなぁ……

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「リスタさん、今度また普通にカフェいきません? あ、いくっていっても本物のカフェパーティのほうです。」
 ここ最近、琴牙がリスタに何かの誘いを持ちかけるのは決まって夕食後だった。一日の仕事があらかた片付いて余裕のできる時間帯なのだろう。その手は休めず、必ず誰かしらを撫でていたり手入れをしていたりするが、それはブリーダーの仕事というより趣味でやっているらしい。
「今度 是 が 非 で も ! 見てほしいのがあるんですよーw …あ、リスタさんだから知ってるかなぁ。」
「何のつもり?」
「いやあ、ボクが呼んでからちょっとある人をモフりにきてほしいなー、とw」
 カフェで?
 モフるって、私がやるの?
 相変わらず突っ込みどころに事欠かない発言だったが本人は全く気にしていない様子。考えるだけでも余程楽しいことなのだろう、笑顔が1ミリも崩れない。
 そういえばカフェには琴牙に連れられていったきりだった。秘湯には足を運んだが聖なる森にも近寄らないようにしたし、霧を通じた移動のとき以外は姿を隠していたから、他のいろいろな情勢はそういえばよく知らない。
「あ、でもいつかわかんないので、他の日に普通に一緒に行きます? あ、ミコさんだけで行ってもらってもいいんですけどね。」
 うんうんうん、と一人うなずいているドーブル。2つの呼び名がごっちゃになっていることにも気づいていない。
「…あ、そういえばボクのことこの前話したけど…もっと話してほしかったら、部屋に来てくださいw 今まで集めたジムバッジとか、そういうのあるんでw」
 彼がトレーナーとしてもそれなりに経験を積んでいることは先週聞いたが、その日は家系の話に多くの時間を割いたため詳しい話はお預けとなった。その続きを、ということだろう。
(バッジ……)
 2つの光景が脳裏をよぎる。

 今日の昼過ぎにたまたま通りかかった、琴牙の部屋のドア。
 以前「かくれんぼ」のさなかに中を調べたが、バッジらしきものがあったかどうかは覚えていない。それよりも別の、陰謀の証拠ではないものの何だか見てはいけないものをいろいろ見てしまったような気がして、足早に立ち去った記憶がある。今日もドアを少しだけ開けてのぞき見たが、変なものが居るような様子はなかった。

 ずっと昔に持っていたバッジケース。
 カントーでなかなかジムリーダーに勝てず、パートナーのヒトカゲも長期療養のためポケモンセンターに預けた彼女は、先を行く顔見知りに旅の途中で会うことを避けたくてジョウトへ渡った。そこではポケモンとの出会いに恵まれたが、その仲間たちも、ようやく手にしたバッジもすぐに手放すことになってしまう。
 いや、奪われたのだ。あの人に。
 預かるよと言われたきり戻らなかった自分の勲章も、やはりあのときに灰になってしまったのだろうか。

 返事を待っているドーブルの顔がリスタを我に返らせた。
「……それよりも、」
 固まっていた理由を聞かれたくなくて、さっき話が変わったためにうっかり聞きそびれたことを持ち出してみる。
「それはカフェじゃなきゃ出来ないことなの? もふるとか言ってるなら見せたいのはポケモンなんでしょう、この前みたいに連れてくればいいじゃない」
 別に自分が行きたくないというわけではない。ただ、今までの琴牙の行動から考えるとそうする方が自然じゃないか、と思ったのだ。
 彼女は再び琴牙の言動の裏を疑い始めていた。



 ハクタイシティ郊外の一角。
 今や表札に「フェザーリング社」の看板も掲げるその家で、夜遅くに開かれた会議が激しい口論に発展していた。幸いこのあたりは家々の間隔が広いので隣近所への影響は少ないが、さすがに家の中にいる面々は、収拾がつかなくなる危険性を気にせずにいられなかった。
 中でも一番心配しているのが隣の部屋にいるポケモンたちである。
「これ絶対殴り合いに発展すると思うんだけど……」
「……そうなったら本部長には勝ち目、皆無。」
「キツネさんがニワトリさんに食べられちゃうの!」
 ドアを背に座り込む形で会議室の様子をうかがうシイナの呟きにズガイドスが真面目な顔で答えた。その後ろではしゃぐソーナノには誰も特に注意を向けない。
「でも分かんないのは兄貴の方だよな。何で本部長が秘密にしてたことを琴牙にばらしちゃうかなー」
「……いずれ誰かの口あるいは本人の行動から発覚していた、推測。」
「そりゃそうなんだけどさぁ。エリーが作ったポフィン普通に食ってるし。でも……」
 中をのぞき見たわけではないので正確な立ち位置は分からないが、おそらくマックスとサーリグが席を立った状態で睨み合っているものと思われる。他の仲間は彼らをいさめたり加勢したりフォローしたりしているようだが、議長席にいるエリーの声は聞こえないので彼女は静観しているのだろう。
 議題から脱線した話の本題はマックスの体質のことだ。外見だけはかろうじて人間の体裁を保っているが、御札の加護の下に隠された身体は既にポケモンとしての感覚を有し、本人の意識も修正しようがないほどそれになじんでしまった。少なくとも彼と同じ組織に籍を置く仲間は全員がそれを知っている。
 その中でも味覚にまつわる感じ方の差が、ポケモンたちをかわいがる琴牙にとっては重要な要素であったらしい。そして当事者としては知られたくなかったらしい。
「……それがばれたこと自体より、それを兄貴がばらしたってとこが問題なんだよな……」
「わざと不利な状況に追い込んで、苦しめたかったんじゃないですか?」
 ズガイドスの隣でエーフィが尻尾をゆっくりと振る。
「何か考えがあって、そのために必要な手順だったのかもしれないわよ」
 蓮歌は時々ドアの方を見ながら、意味もなく椅子の背もたれの上を往復している。
「だからって直接琴牙にチクるか?」
「確かに、ご主人様にしては珍しい行動よね」
「……他に話を吹き込む適任者がいなかった可能性、有力。」
「もしかしたら、敢えて直接言うことでダメージの上乗せを狙ったのでは……考えすぎですよね」
 テーブルの上に置かれたポフィンを適当につまみながら、四者四様に首をひねるポケモンたち。
 ソーナノだけがおなじみの朗らかな顔で跳ね回っていた。


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日本では狐の扱いは善悪両面に分かれるが、ヨーロッパではほぼ悪役のポジションに収まっているという。
どうも家畜の鶏を襲うイメージが強いらしい。
(稲作の邪魔をするネズミを食う利益の方が先だった日本との差はそこにあるとか)
そして狐の天敵といえば狩人だが……やっぱり猟犬も敵ってことになるんだろうか。


ちなみに“ハチテンゴコン”の始まりはカフェパ初期の歴史に刻まれる大事件、第一次銀河戦争。
(もっと正確に言うと、戦いの事後処理の最中に出てきた、ある人物の一言がきっかけである。それがなければ彼はただの狐だったはずで、ここまで目立つこともなかっただろう)
当時ほとんど表での活躍がなかった彼ら組織が積極的にカフェへ関わることとなった動機でもあり、その後のいくつかの活動の原点でもある。
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自己紹介:
化屋月華堂(親サイト)&カフェ「パーティ」(子サイト)管理人。今のところ活動は後者の方が活発。
一応今は社会人なので控えめに動いてるつもりだが、その割に子供じみた言動も多々ある。自覚あり。

ちなみにブログ名は“カフェパにのめり込んで離れられなくなった人”を指す造語に由来。
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