忍者ブログ
♥ Admin ♥ Write ♥ Res ♥ 
Party Syndromeの現場に踊る足跡の記録。


 10 |  11 |  12 |  13 |  14 |  15 |  16 |  17 |  18 |  19 |  20 |
Twitter300字SS 第五十七回参加作品

お題「演じる」
ジャンル:オリジナル、とある普通の世界の話
注意書き:特になし

---

「0点取る方法を教えて」
 学年一の秀才が成績ビリの僕を呼び出して、最初の一言がそれ。
 教育熱心な親が中学受験させる気満々、勝手に決められた第一志望に本人は行きたくない。そこで今度のテストでは勉強についていけない奴を演じたいと言う。
「基本もできないって思われれば、せめて志望校のレベル下げてくれるかもしれないから」
 本当に頭の悪い僕には、その発想がまず分からないし、対策だって思いつかなかった。
 ただ本人が真剣な顔なのは確かだから、僕の友達に助けを求めた。

 テストの次の日、先生があきれてた。
 全問正解が一人、でも名前書いてないから0点。
「怒られない?」
「これで先生が親を呼び出すだろうからって」
 誰の悪知恵だろう。

---
子供には子供なりの事情があるし、抵抗の仕方がある。
うまくいくかどうかは別にして、「自分なり」を考える場面は必要だと思うのです。

ちなみに自分は素で名前書き忘れて0点にされたことがあります(遠い目)
PR
テキレボの特徴の一つが、毎回「イベント前に」webで公開される公式アンソロジー企画。
同じテーマにそっていろんな人がいろんなものを書いてくるので、作風や好きなモチーフがよくわかるという点でも、上手な人の作品が勉強になるという意味でも、とてもよいものです。

化屋は状況によって出したり出さなかったりするのですが、第9回テキレボではなんとか提出しました。
早期提出(アンソロ公開前に出せると閲覧数が伸びるらしい)こそ断念しましたが、締切日におびえないで余裕もって書き上げただけえらい。Ristaえらい。(相方含め誰も褒めてくれないので自分で褒める)

で、その内容なんですが。
Twitter300字SS 第五十六回参加作品

お題「旅」
ジャンル:ぎりぎりオリジナル、とある普通の世界の話
注意書き:ただのネタです

---

 黄色いボディに茶色のライン、差し色の赤が決まってる。
 一緒に走り出せばぐんぐん加速。頬を切る風がびりびり騒がしい。
 その辺をぐるりと一周して家の前に戻っても、もうおかしな鳴き声は出なくなった。
 ピカピカに磨き上げた相棒は前よりずっとスマートで軽やかになった。見た目も動きもすっかり見違えた印象だ。
「何してるの?」
「自由研究」
 自転車の構造と修理の記録を図解にして、大きな紙に書き上げたら、夏休みの宿題はほぼ終わり。
 後は絵日記のネタを探すだけ。
 そういえば、さっき赤いベルを鳴らしながら追い抜いた人は、大きなバックパックを背負っていた。どこか旅行にでも行くところだったのかな。
 いっそ冒険の旅にでも出てしまおうか。

---

とある夏のイベントをヒントに書いてみました。
Twitter300字SS 第五十五回参加作品

お題「あう」
ジャンル:オリジナル、とある不思議な世界の話
注意書き:特になし

---

 薬屋の作業台の上には変わった色の芋が一つ。
 受付嬢と薬師たちが頂き物を囲んで、話題は今日の晩ご飯。
「これ食べるの?」
「見たこともないものをどうやって食えと」
「泥みたいな色してらあ、毒があるに違いない」
「毒があるなら薬にできるかも。調べてみよう」
「召し上がってくださいって渡されたのに?」
「傷んでる匂いはしないね」
「どんな食材にも必ずそれに合う調理法がございます」
「煮るか蒸すか」
「焼いたら、きっと、おいしい」
「一個しかないなんて。薄く切って分けなきゃ量が足りません」
「よし決めた。育てて増やしてからいろいろ試そう」
 最後に現れた店主がそう言って芋をさらってしまった。
 あっけにとられた顔だけは皆一緒だった。

---

意見が合わない限り献立はなかなか決まらない。これは毎日の課題。
Twitter300字SS 第五十四回参加作品

お題「水」
ジャンル:オリジナル、とある普通?の学校の話
注意書き:特になし

---

 昇降口から外に出ると、水玉模様の傘を差した子が立っていた。
 空を見上げても雨は降っていない。天気予報は一日中晴れだと言っていたし、傘を持っている子なんて他にはいなかった。
「どうして傘持ってるの?」
「まだかな。まだ降ってこないかな」
「帰らないの?」
「この傘で帰るの、楽しみにしてたのに」
 こちらの声には全然答えないで、ずっと校庭の方を向いたまま立っている。
 いったい何を見ているのか。横に回ってその子の顔を見ようとしたら、後ろから名前を呼ばれた。振り返った先には同じクラスの友達がいた。
 ばいばい、また明日。
 手を振ってからもう一度横を見ると、そこには誰もいなかった。
 傘立ての隅に古びた水玉模様の傘が残っていた。

---

雨上がりの虹のような出会いの一瞬。

お題の扱い方としてはかなりぎりぎりのラインかもしれない。
Copyright(c)  狂宴症候群  All Rights Reserved.
*Material by *MARIA   * Photo by photolibrary   * Template by tsukika

忍者ブログ [PR]
カレンダー
01 2025/02 03
S M T W T F S
1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28
プロフィール
HN:
Rista
HP:
性別:
非公開
自己紹介:
化屋月華堂(親サイト)&カフェ「パーティ」(子サイト)管理人。今のところ活動は後者の方が活発。
一応今は社会人なので控えめに動いてるつもりだが、その割に子供じみた言動も多々ある。自覚あり。

ちなみにブログ名は“カフェパにのめり込んで離れられなくなった人”を指す造語に由来。
あなたは大丈夫ですか?
ブログ内検索