Party Syndromeの現場に踊る足跡の記録。
文学フリマ東京41に参加してきました。
化屋月華堂、今年のイベント納めでございます。
今回のレポートも長いです。
化屋月華堂、今年のイベント納めでございます。
今回のレポートも長いです。
読み込みが長くなりそうなので、画像はすべてXのポストのリンク貼り付けにしています。いちいちクリックでお手間を取らせますがご了承ください。
1.前置き
まず、最近フォローされた皆さまや初めてこの名前を見る方のために、自己紹介から。
『化屋月華堂』(ばけや・げっかどう)は個人サイト全盛期に「面白そう」と始めた、創作物発表の場としてのサイト名であり、オフライン活動時にも同じ名前で出店しているサークルです。
そして、いちいち言わないので古い付き合いの方にもあまり知られていないと思うのですが、個人サークルではなく二人組のユニット名です。
メンバーは、このブログの筆者であり、これまで小説に手芸にぬい撮りにサイト開設にPBC運営にと幅広く?手を出してきた「暴走する方」Rista(リスタ)。
そして、イラスト担当にしてマスコットキャラ「ばけ」の生みの親、今はRistaが作った物に助言したりばけグッズを監修したりする「フォローする方」鈴(すず)。
他にぬいぐるみたちやロボットもいますが人間としてはこの二人です。
サイトもサークル活動もRistaの小説がメインですが、最近はそれ以外の比重が少し増えています。
鈴は本業が忙しいため、普段はRistaが一人で即売会参加や広報活動をしています。(だから一人サークルと思われてたんですよね知ってます)
しかし前回5月の文学フリマ東京の翌日、あまりにも会場が広すぎて半分も回ることができなかったと嘆いたところ、相方は優しく手を差し伸べてくれました。
「予定なかったら手伝うよ」
言ったな?
それ信じていいんだな?
仕事の出張と被る可能性もあったそうなのですが後に無事回避したとの連絡を受けたので、今回の文学フリマ東京は二人での参加として申し込みました。
鈴のイベント参加は第一回「もじのイチ」以来、その前はもっと間が空くので、結構レアです。
2.開場時間まで
前夜はあまり眠れませんでした。子供の遠足か。
「できるだけ早めに着いて設営したい。でも参加人数が人数だから開始時間に行っても長蛇の列確定、並ぶのは避けたいなぁ」
ここ数年のRistaは基本的に宅配を使わず手搬入です。合計で十数キロあるらしい荷物を抱えて電車や飛行機やエスカレーターに乗り、時には階段を駆け上がります。
東京ビッグサイトの南ホール全部を埋めるサークル数が出店者受付に並ぶ姿を想像しただけで体が重くなりそうです。
そこで今回は可能な限り早く行って、設営ボランティアから参加することにしました。(なお鈴は別行動)
出店案内に記載された朝8時30分に、集合場所に指定されたところへ行ってみると、思ったより人がいない。設営済みの入場口でスタッフさんが打ち合わせ中。
「ボランティアの皆さんはもう中に入られました」
もう始まってるの?
皆さんどれだけ早く馳せ参じてるの?
ちょっと顔ひきつらせながら中へ入れてもらい、スタッフさんに案内してもらって、化屋の割り当てられたブースがある上階の南3・4ホールへ。
椅子並べと宅配搬入物配送の初回が終わったところでした。
かなりの大人数が、さっき聞いた話だと8時にはもう、きっちり集合していたと?
平熱なトーンの「すごいなぁ」しか出てこない。
幸いまだ手伝うことはいくつか残っていて、宅配搬入も3回に分けて届くものだったため、早く行ったのに手持ち無沙汰とかいう恐怖の体験はしなくてすみました。
皆様の熱意のおかげで予定よりずっと早く設営完了。出店者入場の前倒しも決定です。
ボランティア参加特典としていち早く設営に取りかかれたRistaは、いつものサークルセットを展開してから、イベント開始までの時間で「前夜までに終わらせたかったけどできなかった作業」を進めました。
今回のイベントに合わせて参加した、フライヤー配布を通じてつながりを増やそう企画『縁むす巡村祭4「縁結葉書」』に提供するポストカードの最終仕上げです。
化屋月華堂は看板娘・藍ちゃんが登場する小説『ストレイトロード』の宣伝ポストカードでの参加。
Ristaがスマホのカメラ機能とパソコンの描画ソフトを駆使してデザインを仕上げ、鈴にチェックしてもらってから印刷し、その後にアナログでひとつ書き足す計画でした。
凶暴クリーチャーが繰り出す凶悪な破壊光線を、どうしてもフチあり印刷の余白を飛び出す形で描きたかったので。
(3色のマーカーを1枚ごとに持ち替えて描いています。実物をお持ちの方は改めてご覧ください)
定規とマーカーをくるくる動かしている間に周辺のサークルさんが続々到着。
通路を挟んだ向かい側には思い思いの、そしてなじみのある、同人サークルさんたちの設営風景。一方振り向けばこちらの両隣と後ろ、なんだか本格的な装丁の本やグッズが多いなと思ったら。
「あ-48」の左右には出版社や受賞経験あり作家さんや大物小説家さんなどが並ぶ実力派エリアが形成され。
そして真後ろには丸善ジュンク堂書店様をはじめとする企業ブースがずらりと並んでいたのです。
えっ何これ?
今回3,300ブース超えのwebカタログに全部目を通したときには基本情報が少なすぎてよくわかってなかったんですが、企業はともかく個人もレベル高い人ばかりですか?
いつも片手で数えるほどしか売れないサークルがこんなところにいていいの?
でももう配置された後です、今さらごちゃごちゃ言っても仕方ない。とりあえず両隣にご挨拶して、作業の残りを終わらせて。
(厳密に言うと通路挟んだ左隣はインフルエンザで欠席らしく、さらにひとつ隣の方が挨拶に来られた)
挨拶し終えたあとになってお隣さんとの挨拶を求めるアナウンスが飛んできたので若干微妙な気持ちになって。
さあ、時間です。
3.開会
大きなホールを全部埋めるほど出店者がいる文学フリマ、北も南も参加していますが、いつもどこに行っても開始直後は行列を形成していた大勢の一般参加者がわっと入ってきます。
お目当てがある方はそちらへまっしぐら、そうでない方もだいたいは端っこから回っていくので、壁際に近い「あ」列は最初から混むだろうなとにらんでいました。
ところが目の前を通る人々は、最大規模の東京会場の割に、なんだか少ないような。やっぱり入口の真正面から見ていくものなのかしら。でもまず「端の列」にあたる企業さんやその手前の方々から見ていくんだろうか。
何気なく左肩の向こうへと振り返って、心の中で椅子から転げ落ちました。
サークルが配置されていない、ホールを囲む柱と奥の壁との間に、滞留する人々。
いやこれ待機だ。待機列だ!
会場設営の完了時に配られていたパンフレットに目を通します。「あ-48」の左斜め後ろは「あ-24」。サークル名は……
……載って、いない??
「21,22」パブファンセルフ様と「25,26」丸善ジュンク堂書店様の間に、番号がないのです。飛ばされています。
しかし現実世界に配置された机にはもう一つ、確かに2ブース分設営されたサークルがあり、列の先頭にいるお嬢様がたが何やら冊子を購入されているのです。
売り手の頭上に掲げられていたのは、シャチをあしらったおしゃれなロゴマークと「StudioLuca」の文字。
お恥ずかしながら全く存じ上げなかったのですが、人気の配信者さんが立ち上げた会社なんだそうです。なるほどそこに集結した男女は皆彼らのファンか。
そんな有名ブランドがどうしてカタログにいないのか、その謎はイベントが終わってから改めて調べたときに判明しました。
なんと彼らの会社もといサークルは、一度配置が確定したあとに大混雑が懸念される事態が判明したようで、特例でブースが変更されていたのです。
念入りに探したら本来は「つ-71,72」が彼らの席。つまりパンフレット用の原稿が確定したあとに何かが起きたと。
是非は論じませんしどうとも思いません。ただ純粋に感心しました。
「予備ブースってこういうときのためにあるのか……!」
(※もちろん他にもいろいろ想定しているとは思います)
さて、そんな人気サークルに集まった参加者や、企業や実力者のエリアを見ていった参加者が、次にどういう行動を取るかと申しますと。
だいたいが次の目当てのために歩行のギアを一段階上げます。
お隣に並ぶ立派な装丁の本をに目を留め足を止めた人の多くは、その隣まで見ないで立ち去ります。その場から離れるほうに意識が向くのです。
化屋月華堂は通路脇、つまり交差点を見る位置に配置されていたので、横からも前からも後ろからも人が来ます。視線は来たり来なかったりします。
もちろん、こちらの机に並ぶ本たちを見てくださる方、段ボール棚の上に掲げたお品書きを黙読される方もときどきいました。
でも見本誌を手に取ってくださる方はなかなか現れず。
あげく、隣のブースを訪ねてきた方が最初こっちを関係者だと思って挨拶してきたり、「企業ですか?」と聞かれたり。
いいえうちはあちらの方々には遠く及ばない零細サークルでございます……はい……
前から面識のある方や企画関係の方とは普通に会話できるので、そのときだけはいつもの文学フリマの空気が戻ったようでほっとして。
そのとき東京土産ネタ展示「“ごまたまご”とばけ」がウケたことを励みに、こちらに少しでも注目した方に前述の「縁結葉書」を手渡しして、地道に頑張ることにしたら。
別の用事を終えた相方・鈴の登場です。
「ビッグサイト着いたよ」連絡から「中に入ったけど場所どこだっけ?」までに15分。いや本当にスケール大きなイベントですね!
4.縁結弾丸ツアー
今回の頒布物や無料配布について簡単に説明してから、ブースを鈴に任せ、差し入れを詰めたエコバッグと藍ちゃんだけ抱えて出発。
「縁結葉書」配布サークル全部と、事前にチェックしていたフォロワーさん・顔見知り、そしてwebカタログで気になった本のある場所を回りました。
ほかのブースにいるぬいぐるみたちとの記念撮影もいつもより積極的に。
Ristaはリスタさんの他、りっすーとかりっすんとか化屋さんとか呼ばれることがあって、藍ちゃんは「ラン」だけど「アイちゃん」と呼ばれがちで特に訂正もしないのですが、こちらを見るなり「ドールさん!」と呼ばれたのは初めてかもしれない。びっくりしたー。
泣く泣くターゲットを絞ったし、買った本は最低限になったし、歩いた通路は全体の半分くらいなのに、1フロアに約50分かかりました。
チェックから漏れていたけど気になる本をつい見たせいなのか。そこそこ広い通路も時には混みすぎて塞がって、何度か遠回りを余儀なくされたしたせいなのか。
なんとか葉書はコンプリートしましたが、何名かとは入れ違いになって挨拶できませんでした。
化屋月華堂ブースに戻ってきたとき、ちょうど足を止めている方が。
話していた相方によると、一緒に店番していた双花ぬいを指して「写真集はないのかと聞かれていた」とのこと。
その発想はなかった。
かろうじてこれは、とステッカー(頭の花にばけがとまっている写真がある)を示すしかできなかった。
く、悔しい……!
2時間ほど留守を任せていた間にいくつか売れていたようです。
あとRistaは縁結葉書についてちゃんと説明せず出ていくというポカをやったことが判明。しかし鈴は葉書をもらいに来た人の発言、そして事前に審査していたRistaのポストカードの記憶から、見事に正解の応対をしてくれたようです。いくら感謝しても足りません。
(なお相方も通りがかった参加者に「企業なの?」と聞かれたらしい)
5.閉会まで
しばらく二人並んで話しながら過ごしました。
途中であの新婚VTuberさんがご夫婦でいらっしゃいまして。顔を出すと聞いてなかったRistaは「お祝いとか用意してなくて!ささやかですけど!」と「ごまたまご」2個を差し出し、すかさず鈴に「それはささやかすぎる」とつっこまれました。
先に帰る鈴を見送ってから終了まではRista一人で頑張りました。
相方が店番している間のほうが戻ってきたあとより売れてたってどういうこと??
そして今回のお迎え件数は、なんと「ばけフォトステッカー>本全部」。
これ文学フリマだよね??
コミティアは明日だよね??
いや嬉しいんですが。どこかの誰かのスマホケースの中にばけ写真が収まる予定だなんて想像もしてなかったんですが。
ばけフォトステッカーは鈴が監修以外にも少し携わっており、間違いなく二人の共作と呼べる作品なので、小説を手にとってもらえたときとは違った意味での喜びもあるのですが。
(文学と信じるもの、という定義の件はご心配なく。フォトステッカーのコンセプトは「物語から切り取った一場面」なので「手に取った人が見て何かを想像する」ことで完成します)
なお後で鈴に成果を報告したところ「ばけって売れるんだ……」とつぶやいてました。
話をイベント中に戻して。
そういえばあの人気者さんはさすがに完売したのではと左斜め後ろを見たら、また行列が形成されている。
えっかなり余裕で持ち込んだの?
と思って見ていたら、目の前の交差点で足を止めた女の子が例の会社さんの冊子を広げている。そのページをよく見ると黒い筆跡。
まさかと思って話しかけ、見せてもらったら、やはりサインでした。
しかも彼女が冊子と一緒に持っていたのは時間指定の整理券。
サイン会かぁ……うん、さすがっていうか、そりゃ輝いた顔で冊子を見つめますね、納得。
どうやら整理券は新刊の購入特典だったようで、一度はけたように見えた行列の人々は指定の時間まで各フロア内を回っていたのです。
そしてサインの順番が回ってきてもなお一部は帰らない。ブース配置がない壁際から、あるいは後ろの通路(化屋月華堂の左隣、彼らの真後ろのブースは前述の通り欠席で何もない)から、常に複数人が例のまぶしい人たちをずっと見つめているのです。
初めてだよこんな光景。最近の文学フリマは有名人の参加も増えたとは言うけど、他にもイベントなんてたくさんあるんだけど、ずっと帰らないってどこでも見たことなかった。
仮に自分が追いかけているアーティスト(その片割れは小説本出したことある)が文学フリマに来たとして、自分はきっと目的を果たしたら一瞬のきらめきを胸に他のブースを回って一度は戻ってきてまたひと目見るかもしれないけど、17時の終了、何なら撤収する瞬間までずっと見ていることはしないと思う。そんな発想がないって意味で。
しかしここは文学フリマ。みんなで作る場であり、彼らのファン以上に大勢の人が参加する場所。
自ブースの外にいる人に声をかけて招き入れるのはルール違反ですが、往来の妨げになりそうな位置で足を止めている人を放置するのはマナーとしてよくない。
そしてここにはフォロー役がいない、暴走するおせっかいの塊が一人。
声をかけました。遠慮なく声を出して誘導しました。交差点の真ん中での立ち話から意識をそらしました。
「文学フリマ、楽しめましたか?」
「「「はい!!」」」
会場内を見て回った皆さんは、ついたくさん買ってしまった、何千円使っちゃったと、笑顔で語ってくれました。
サインを見せてくれた彼女も、その後に通りかかったいくつかのお友達グループも、入場時に配られたpixiv小説の黄色いバッグが大活躍したようです。
(声かけたついでにこちらの頒布物へ手を伸ばしてくださった子にはしっかり縁結葉書を渡しましたよ!)
多分まだ鈴が残っていたら、たしなめられたとは思うけど。後悔はないです。
そりゃあうちは存在感で言えばシャチの周りで漂う小エビのようなもので、鯛どころか小魚だって釣れないけれど。
小エビがシャチと同じ舞台に立てるのが文学フリマだから。
横幅が1ブース分か2ブース分かの違いしかないのが現実だから。
ここ最近イベント後にXでああだこうだ言われることが多いようですが、個人的には、あの笑顔が心のノイズキャンセラーになっています。
6.撤収~セルフ反省会
今までRistaは撤収にもたつくのが怖くて、30分前くらいから少しずつ片付けを始めていました。
しかしイベント途中で片付けを始めると「もう帰るのかな」と思われてますますスルーされがちなので、今回思い切って最後までフルサイズ展開を貫きました。
終了アナウンス後の撤収でもなんとか20分以内に収められた!よし!
設営や撤収の手順は確立できた、次以降も大丈夫そうだ、というのは今回得た安心材料。
今年は本のほうで新作を出せなかったのはちょっと痛い誤算。
ステッカーのネタと「ご当地ばけ」ディスプレイはまだまだ改良の余地あり。
来年出したい本のテーマは増える一方。
藍ちゃんぬい誕生つまりRistaぬい活開始からこの年末で10年の節目なので、需要あるかなぁとか、写真集なら手持ちでも作れるけどせっかくだから新規で撮るかとか、サイズどうするかとか。
小説だって未完のあれや続編どうするこれとか新作頑張ってとか。
主に時間と想像力のリソースを巡って、脳内会議は紛糾どころか大乱闘になっています。
来年以降の文学フリマは「ファンタジー・幻想文学」とは別の分類で申し込みます。
ファンタジーのつもりで書いててもSFとか言われたりする、ふんわりした感じみたいですし。
あと、鈴が今回どう思ったかはちゃんと聞けてないですが、どうやったら即売会の沼に引きずり込めるかを正直知りたいです。
ここまでは手伝いだけして颯爽と去っている相方が、もし買い回るほうになってくれたら、好みとかも知れるし新しい創作のヒントにもなりそうなんですけどねぇ。
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プロフィール
HN:
Rista
HP:
性別:
非公開
自己紹介:
化屋月華堂(親サイト)&カフェ「パーティ」(子サイト)管理人。今のところ活動は後者の方が活発。
一応今は社会人なので控えめに動いてるつもりだが、その割に子供じみた言動も多々ある。自覚あり。
ちなみにブログ名は“カフェパにのめり込んで離れられなくなった人”を指す造語に由来。
あなたは大丈夫ですか?
一応今は社会人なので控えめに動いてるつもりだが、その割に子供じみた言動も多々ある。自覚あり。
ちなみにブログ名は“カフェパにのめり込んで離れられなくなった人”を指す造語に由来。
あなたは大丈夫ですか?
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