Party Syndromeの現場に踊る足跡の記録。
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『祈りの季節』
切り傷の薬、しもやけの薬、喉を癒す薬、頭皮を保護する薬、などなど。
読み返した伝票は、彼女が受付嬢を始めてから最も賑やかな内容だった。多種多様な薬を一度に注文したのは近くの酒場の女将だ。中には日持ちせず常備薬には向かない種類も混ざっている。
女将の買いだめは毎年のこと、と薬師のひとりが耳打ちした。
「外を見てごらん」
窓の外に張り出した太い枝を指してみせる。先端に集まったつぼみはどれもまだ堅い。
「あのひとの旦那さん、冬は山ごもりして、あれが膨らむ頃に帰ってくるのさ」
冬眠する獣にならって洞穴に入り、山の精霊に捧げる祈りを昼夜問わず唱え続けるという。
酔客とは違う怪我の心配が薬屋にも春の訪れを告げるようだ。
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『見送るひと』
「無事を祈る」
戦場に向かう無数の背中を見送るとき、何度同じ言葉を聞いただろう。
私たちが整備する兵器は強いけど無敵じゃない。帰ってこなかったことだって二度三度じゃない。すべて成り行き任せの運次第。それでも繰り返されるお決まりのフレーズにひっかかりを感じるようになって、あるとき先輩に尋ねた。
「それ、誰に祈ってるんですか」
信仰が篤い人ではなかったはず。他の場面ではそんな印象ないし、緑の護符を持っている姿を見たことがない。というかそういうタイプなら青の工廠に流れ着いてはこないのでは。
「出撃する奴らに、だ。途中で判断を誤るなよってな」
先輩の答えは予想通り、連想と違った。そして想像より重量級の響きだった。
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1本目は薬屋の受付嬢シリーズ(仮)。
魔法や不思議生物の要素を込めた作品群はこの系列にしてきましたが、今回はちょっと路線が違う。
リアル世界には2月中旬から春にかけて祈りを捧げる季節「四旬節」がありますが、文化や世界観によっては厳冬に黙想するケースもあるのでは、という発想から書きました。
2本目はRistaが挑戦中の定期更新ゲームを土台にしたもの。読み仮名は字数から除きました。
簡単に言うと、人が乗り込んで操縦するロボット兵器で未知の敵を撃破せよ、っていうゲームでして。プレイヤーはあくまで出撃する方なんですが……
なんでだろう、最前線の光景ではなく後方支援の人たちを描いてしまった。自分のPCを挟む隙もなかった。これを手癖というんでしょうか。
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自己紹介:
化屋月華堂(親サイト)&カフェ「パーティ」(子サイト)管理人。今のところ活動は後者の方が活発。
一応今は社会人なので控えめに動いてるつもりだが、その割に子供じみた言動も多々ある。自覚あり。
ちなみにブログ名は“カフェパにのめり込んで離れられなくなった人”を指す造語に由来。
あなたは大丈夫ですか?
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