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Party Syndromeの現場に踊る足跡の記録。


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Twitter300字SS 第八十一回参加作品

お題「救う」
ジャンル:オリジナル/ (1)日常、とある一般人の話 (2)SF、とある能力者の話
注意書き:特になし




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「甘くない船旅」

 お菓子な国の夢を見た。
 角砂糖でできた倉庫街から、クッキーの小舟で青い海へと漕ぎ出す。波は少なく、小さな泡が浮かんでは消えていた。
 船底はチョコレートで塗装しているからいきなり浸水はないだろうけど、プレッツェルの櫂が意外と使いにくい。それとさっきからまとわりついてくるものは何だろう。海中に何かいるのでは、と疑った途端に進めなくなって、振り向いてみれば水飴の触手。横から迫ってくる背ビレは鼈甲飴か。
 よくできていると感心している場合じゃない!
 背中から海に飛び込んだ直後、巨大なイカと凶暴なサメが衝突し、小舟は砕け散った。両者が争う間にそっと泳いで陸地を目指した。救命胴衣のマシュマロが溶け出してしまう前に。

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「居酒屋の片隅で」

「そんな、ひどい。私に救いはないのですか」
「あー違うよ。落ち着いてよく聞いてほしい」
 両手を合わせてこっちを見上げる女子大生。何故だかうろたえてしまい、咳払いでリセットした。
 俺が飲み会に出ると必ず悩み相談が始まる。短い会話だけで問題の原因や背景を見抜き、解決法を探してくれる、とサークル仲間からは評判がいい。
 しかし名探偵並の洞察力なんてない。本当は相手の背後に謎の動画が現れて、秘密や真相を教えてくれるだけ。慎重に尋ねて時にはカマかけて、本人から引き出したように装っているが。
「食べ物の恨みは時に何十年も引きずる。とにかく早くお詫びしよう」
「お前マジ大げさ!」
 酒の席で細かい工作なんて無駄かもしれない。


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それぞれ、字下げと改行を除いて300文字。

前者は11月に展開中の「#novelber」企画で書き進めている連作からの派生。
マシュマロはココアに入れると浮くけど炭酸水の上ではどうだったか?
書きながらちょっと気になりましたが、確認をする暇は残念ながらありませんでした。

一方、後者は11月の一箱静マルに合わせて作った新作『カンパイリミテッド』の没ネタを拾って書きました。
本編にならって補足文をつけるなら
『「過去視(ポストコグニション)」ただし【酒に酔った状態でのみ発揮される】』
といったところでしょうか。
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自己紹介:
化屋月華堂(親サイト)&カフェ「パーティ」(子サイト)管理人。今のところ活動は後者の方が活発。
一応今は社会人なので控えめに動いてるつもりだが、その割に子供じみた言動も多々ある。自覚あり。

ちなみにブログ名は“カフェパにのめり込んで離れられなくなった人”を指す造語に由来。
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