書き残す：双花＆ばけのあわあわアワー！～不思議編～

この12月に完全オンライン型同人誌即売会「Text-Revolutions Extra」の2回目が開催されます。
今年春に実施された1回目で基本フォーマットができたので、次はより本来のテキレボに近づける形へと進んでいるようです。
そのひとつが「公式アンソロジー企画」の登場。
もともとテキレボ（実会場型の即売会）は紙のカタログや見本誌読書会がないので、webカタログとは別に、参加サークルの作風や得意分野を紹介するwebアンソロジーが毎回開催されています。それが今回のExtra2でも行われることになりました。

で、化屋も応募しました。
目安の4000文字ちょうどになるよう調整した作品を書きました。

今までは割と遅刻気味というか、イベントの募集開始日（＝アンソロジーの受付開始日）になっても骨組みがあるかないかぐらいでした。
参加資格があるのにアンソロジー投稿をしなかった回もあったぐらいです。

ですが今回、募集開始の二日前に突然ふわっとネタが降りてきまして。
一日前に書き始めて。
当日の募集開始20分後には投稿してしまいました。
（なおイベント参加枠自体は2時間半ほどで満了しましたが、アンソロはこれから書くと言っている方も結構いました）
そしてアンソロジー作品の順次公開が始まってから9日目の本日にお披露目となりました。

ノリは間違いなく化屋史上最軽量、わけのわからなさの9割はわざとやっている、新作掌編のネタバレ入り解説をここに書き残します。
ぐだぐだと長くなったので、時間に余裕があるときにご覧ください。

・コンセプト
「小説とラジオ番組は似ている。語り手の顔が見えず、受け手はその姿を想像するしかない。」
そして
「公式が『渡されたものが花一輪でも、気持ちが伝わるのならそれは「手紙」です』と言うならば、『番組への投稿』も手紙扱いでいいよね！」

というわけで、昔聞いていた深夜ラジオのDJやハガキ職人さんたちを思い出しながら、ノリと勢いに任せて書き切りました。

そしてもうひとつ
「本来ならテキレボ10を軸に祝うはずだった化屋月華堂20周年記念の何かをここでやってしまおう！」
というわけで、20年の歴史でRistaがいろいろ作ってきたもの（一部は鈴の作品ですが）をざっと集めてきて派手にぶち上げよう、となりました。
ほとんどの方にネタが通じないのは承知の上です。それも含めての紹介ですから。

・ノンストップで書く
Ristaはどちらかといえば筆が遅い方だと思います。Twitterで毎日書いている140文字SSは10分で書ける日もありますが、長編『DROPOUT』のWeb版では1ページ（3000文字程度）書くのに一週間や二週間かかっていた人です。
そして投稿という後戻りできないタイプの原稿を書く場合、通常なら慎重に書いて、慎重に読み直します。
ここで発生しやすいのが「これ面白いのか？」というセルフ疑問。だいたい捕まります。前回のテキレボEXでわくわくおためしパックに参加しなかったのは、完成前にこれが発動して原稿にブレーキがかかり、そのままエンストしたからでした。

で、今回はその反省を踏まえ、「振り返らない」「間を置かない」「イベント参加申し込みの直後に投稿できるようにする」を目標に執筆を開始しました。
ネタ出しに１日。本文に１日半。たまたま本業が忙しくない時期で、休み時間にアイデアをメモする時間がとれたのも大きかったかもしれません。
（なお翌週に突然忙しくなって体調を壊しかけた）

・「双花＆ばけ」とは
知る人ぞ知る、化屋に昔いたキャラ「双花」。女の子。作中でも言及していますが読みは「しゃんふぁ」、中国語の電子辞書から読み方だけ引っ張ってきた安直な名前です。
容姿はこんな感じ。

そして「ばけ」は化屋月華堂の活動を見たことがある方なら多分目にしてます。既刊をお持ちの方は裏表紙を、そうでない方はWebサイトトップのロゴを見てください。この白くて丸っこいやつです。
相方・鈴の代表作。「きゆ」しか言わないのは公式設定。なお「ばけ」のアクセントは「猫」と一緒。

このふたりがコンビを組んでいた時期があります。
……かつてネット上で一世を風靡したパソコン用デスクトップマスコット「伺か」。Ristaもはまってた時期があり、「自分で作れるの？じゃあ作ろう！」と勢いで公開したキャラデータ（通称ゴースト）がございました。今は配布終了していましてテキストしか残っていません。
でも化屋の歴史のひとつということで再登場してもらいました。他の小説への登場予定は今のところありません。

余談：「伺か」は開発終了しましたが、互換ソフト「SSP」はWindows世代交代の波を乗り越え、今なお現役で配布＆更新を続けております。
興味を持った方、懐かしいなと思われた方は、ぜひ見に行ってみてください。
ちなみに化屋ではゴースト「灰色の静寂」を今もひっそり配布中です。

・冒頭のモノローグ
ツイノベ集『ストレイトロード　ルート140』（テキレボEX2で最新巻を初頒布）のスタイルに沿った一編、または一片。語り手はもちろん不憫な運転手ゼファールさん。
なお放送終了後、最後の段落も同様のルールで書いています。

・ばけがテキレボに参加したことあるという発言
鈴が昔作ったフェルトマスコットをもらい受け、何年か前のテキレボに持ち込んで化屋ブースに飾ったことがあります。参加してました（物理）。

・つい（ピー）振り回しちゃって
双花のワンピースの中には秘密があるらしい。という、前述のゴーストのネタから。
別にR指定かかるようなワードではないのですが、これの説明を入れるとメールを読む分の文字数が足りなくなるので単語ごと伏せました。

・謎の怪人
『DROPOUT』シリーズに登場する、特定の地域にだけ伝わっているという都市伝説「怪人ルシファー」。
関わった人間が記憶を奪われたり命を奪われたりするなら、誰がその存在を知らしめたんだろう。

・ハニービーマート
『DROPOUT』2巻（テキレボ初頒布）でちらっと登場するコンビニ。
本筋に関わらないという理由で固有名詞を入れられなかったので、ここでネタとして使いました。
スイーツの内容については、何度も言うようですがノリで書いてますので、深く考えてません。はい。

・刀の話
Web限定（物理本には未収録）の短編『朱雀の森』の概要、そして後日談。
長編にはどんどん手を入れているRistaが「これはいじってはいけない」と大切にとってある、Web活動初期の作品では一番気に入っている話です。

・冷凍庫のアイス
名前を書いても霜で覆われてしまうと目立ちにくい、という弱点に投稿者は気づいていません。
ここにはWeb限定の二次創作短編『弔いの歌』関連ネタを入れるつもりだったのですが、字数不足でカットしました。
後で猫ネタにすればよかったかなとも思ったものの、それはそれで字数が足りなくなりそうなので、やっぱり当日に思いつかなくてよかったかも。

・フェザーリング社
数多の異世界を股にかけて活動する謎の人材派遣会社。姿が見えない未来の新刊にスポンサー席を予約済みらしい。
いつかラノベのお約束をいじくり回す「異世界転生が形無し」アンソロジーでも作ることがあればシナリオフックに使えるかもしれません。
元は子サイト（カフェパ）関連のワードですが、一部のポケモン二次創作短編にこの会社の関係者がこっそり出演しています。

・風の魔女
ご存じ『ストレイトロード』の主人公、藍ちゃん。
『DROPOUT』『朱雀の森』は現代ものですが、この作品だけ近未来の壊れた地球が舞台なので、本来なら他の世界観の中で投稿される話を聞くことはできません。

・次の投稿テーマ？
テキレボでゲットして面白かった本の感想は、ぜひツイッターで「#テキレボ戦利品」タグつけて発信しましょう。
あるいはText-Revolutions。もともとは感想投稿サイトなので、そちらに投稿してもいいかもしれませんね。
どちらにしても、間違いなく作者さんには喜ばれます。感情はどうあれ投げ出さずに読み切る人がいただけで、本作りは大成功なのですから。
（自分を対象に入れていない人の発言）


・余談
テキレボの募集を開始した9/12、実は化屋的には子サイト（カフェパ）の更新日でした。
しかしこのアンソロとイベントエントリーに気を取られてすっかり忘れており、気づいたのは日付が変わる直前。
かつてのキャラがあわあわする様子を一気に書ききった後、タイムリミットに迫られながらの更新作業であわあわする、というオチがついたのでした。