「試される人生だった」

Twitter300字SS 第三十九回参加作品
お題「試す」
ジャンル：オリジナル
注意書き・制限事項なし
#Twitter300字ss
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試食したら中（あた）る。
試着した服は破れる。
試遊台に触ると壊れる。

試すとろくな目に遭わないと悟ってから、何でもぶっつけ本番で生きてきた。
今の会社は面接一回で即採用。思い切って飛び込んだら意外にいい職場で、楽しく働いてきた。

ある日、突然上司に呼び出された。
「極秘に開発したパワードスーツだ。試験運用を手伝ってほしい」
「それ、別に僕じゃなくても……」
嫌な予感は業務命令の前に屈した。

全身に装着されたハイテクな鎧は軽くて丈夫、性能も申し分なし。重機を投げ飛ばすなんて貴重な経験もできた。
感心してから、ふと気づいた。
脱げない。
動けない。

「洗脳プログラム開始」
「これで奴らに勝てますな」

弊社（ここ）が悪の秘密結社だったなんて。


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「ジンクス」って、もともと悪い意味で使う言葉だそうで。
こういうシチュエーションになるとちょっと……と思うこと自体は自分に暗示をかけている側面もあるわけですが、それだけではどうしても説明のつかない現象って、ありますよね。

ちなみに今回は自分もぶっつけ本番。大まかな案だけは先に考えていましたが、本文を書き始めたのは主催様の開催宣言ツイートの後でした。
あとルビを字数に入れるのかを開催概要で確認したのも書いた後。入れないでいいそうです。
間に合ってよかった。