忍者ブログ
♥ Admin ♥ Write ♥ Res ♥ 
Party Syndromeの現場に踊る足跡の記録。


 583 |  582 |  581 |  580 |  579 |  578 |  577 |  576 |  575 |  574 |  573 |
Twitter300字SS 第三十回参加作品
お題「飾る」
ジャンル:オリジナル、ある人々の日常
注意書き:特になし

---

 三月四日。商店街の店が一斉に模様替えして、ひな祭りの装いが消えた。今日からホワイトデーが最大勢力、次点に卒業祝い。
 私は玩具屋の店頭に飾られた二体のテディベアの着せ替え中。お内裏様から学ランに変身。お雛様から振袖と袴に換えたところで、手が止まった。
「あなたがこうやって二人で来てくれるのはいつかしら」
 店主つまり母の昨日の一言に今頃腹が立って、卒業式イメージの小道具を並べるのをやめた。金屏風は回収、畳風の台座には埃を被った売れ残りを散らして。

「見て、懐かしい」
 散歩中の老夫婦が足を止めた。
「あれテレビで見た」
 女の子がガラス窓に飛びついた。

 百人一首かるたが急に売れ始めた理由に母が気づくまで三日かかった。

---




いつだって、ささやかな反抗は楽しい。

気づけば毎月何かのイベントで大賑わい。
酒が飲めれば、お菓子が売れたら、ちょっとでも振り向いてもらえるなら……動機がある限り、乗っかれるものにはどんどん乗っかるのでしょう。
そんな町の片隅を思い浮かべながら書きました。

モデルはないですが、イメージした場所はあります。
母校の近所にある古い玩具屋は、いつ見てもショーウィンドウのラインナップがほぼ変わっていなくて、何年も前の番組に出てきた合体ロボやらフィギュアやらが普通にひしめいていました。
昨年秋に縁あって文化祭へ行ったとき、まだその店はありました。全然変わってませんでした。
きっと今も同じ顔ぶれが、一緒に色あせながら暮らしているのだと思います。
PR
この記事にコメントする
Name
Title
Color
Mail
URL
Comment
Password   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
secret (管理人しか読むことができません)
Copyright(c)  狂宴症候群  All Rights Reserved.
*Material by *MARIA   * Photo by photolibrary   * Template by tsukika

忍者ブログ [PR]
カレンダー
10 2024/11 12
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
プロフィール
HN:
Rista
HP:
性別:
非公開
自己紹介:
化屋月華堂(親サイト)&カフェ「パーティ」(子サイト)管理人。今のところ活動は後者の方が活発。
一応今は社会人なので控えめに動いてるつもりだが、その割に子供じみた言動も多々ある。自覚あり。

ちなみにブログ名は“カフェパにのめり込んで離れられなくなった人”を指す造語に由来。
あなたは大丈夫ですか?
ブログ内検索