Party Syndromeの現場に踊る足跡の記録。
カフェパ話。
なんかノリでできあがった話にそのまま延長線を引いてみた。
なんかノリでできあがった話にそのまま延長線を引いてみた。
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リビングから壁一枚を隔てた廊下に男二人が座り込んでいる。先ほどグラスに注いだばかりの麦茶を片手に、一人はだらしなく両足を投げ出し、もう一人はいつでも立ち上がれるよう足を曲げていた。
「……大人しくなったか?」
「ようやく怒りが冷めてきたようですが、まだ中に踏み込むのは危険でしょうね」
身構えている方、アルビレオは扉の隙間から聞こえてくる会話に注意を払っていた。力を抜いているマックスは一見特に気にしていないようだが、人並み以上の聴力を駆使してしっかりと中の様子をうかがっている。
二人の人間がポケモンを見て撫でて櫛ですいて、延々とポケモンの愛で方について語っている。要約するとそんな感じらしい。
「ようやく仕事の話から関心がそれたか。順調順調」
「いいんですか、そろそろ来ますよ?」
「まだ大丈夫だろ……あの二人なら会話のネタには事欠かないだろうし」
仕事で何やら不快な出来事に遭遇したらしいエリーが、酒に酔った状態で帰ってきたのが午前0時過ぎ。相棒のニドクインに抱えられてきた彼女は家に上がるや、まず出迎えたニーナに絡みつき、続いてアルビレオを見つけるとおぼつかない足どりで彼を追いかけていった。ほとんど締め上げるように抱きつかれ、耳元に愚痴を吐かれ続ければ、聞かされる方も当然精神力を消耗する。アルがちょうど家を訪ねてきたメープルに助けを求めたのは自然な流れだった。
そして救援要請はモノムーに託される形でカフェに届けられ、知らせを耳に入れたマックスは……何故か琴牙を連れて戻ってきたのだった。
ぐすん、と鼻を鳴らす音がドアの向こうから聞こえた。
「もふもふ~……ねえ、まだ戻ってこないの~……」
泣き言に続いた返答は誤解のしようがない、彼女の意見に同意する一言だった。
マックスが苦い表情を浮かべたのをアルは見逃さなかった。シャワーを浴びることを口実に“自分の番”を後回しにさせる形でその場から逃げ出したものの、客人かつ部外者の琴牙に彼女が迷惑をかけることはやはり心配だったのか戻ってきた、その選択に潜む間違いにようやく気づいたらしい。
グラスを静かに床へ置いて、続いて座り姿勢をまっすぐに直す。暑さの残滓は既にマックスの意識の中にはない。
「……アル。そろそろ潮時だ、睡眠弾用意しとけ」
「いいんですか? お客さんの前ですよ?」
「これ以上引っ張ったら明日の仕事に支障が出る、俺もエリーも。早く寝かしつけといた方がいいだろ」
「だから琴牙さんは」
「泊まる部屋ならニーナとクラウに用意させた、後で案内させとけ」
先に2階へ行かせた技術者とエーフィを名指ししながらマックスが立ち上がったのと、リビングのドアが開いたのが、まさに同時だった。
廊下の静寂が一気に気まずい色を帯びる。
真夜中の騒がしい追いかけっこは数十分で一応の決着を見た。
マックスが根負けする形で。
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長毛種のポケモンにとってきっと夏場は苦労が絶えない。
ご一泊、朝食&トリミングタイム付きの宿泊プラン。
時間切れなので投稿するけど何か歯切れが悪い気がするので、多分後で加筆します。
リビングから壁一枚を隔てた廊下に男二人が座り込んでいる。先ほどグラスに注いだばかりの麦茶を片手に、一人はだらしなく両足を投げ出し、もう一人はいつでも立ち上がれるよう足を曲げていた。
「……大人しくなったか?」
「ようやく怒りが冷めてきたようですが、まだ中に踏み込むのは危険でしょうね」
身構えている方、アルビレオは扉の隙間から聞こえてくる会話に注意を払っていた。力を抜いているマックスは一見特に気にしていないようだが、人並み以上の聴力を駆使してしっかりと中の様子をうかがっている。
二人の人間がポケモンを見て撫でて櫛ですいて、延々とポケモンの愛で方について語っている。要約するとそんな感じらしい。
「ようやく仕事の話から関心がそれたか。順調順調」
「いいんですか、そろそろ来ますよ?」
「まだ大丈夫だろ……あの二人なら会話のネタには事欠かないだろうし」
仕事で何やら不快な出来事に遭遇したらしいエリーが、酒に酔った状態で帰ってきたのが午前0時過ぎ。相棒のニドクインに抱えられてきた彼女は家に上がるや、まず出迎えたニーナに絡みつき、続いてアルビレオを見つけるとおぼつかない足どりで彼を追いかけていった。ほとんど締め上げるように抱きつかれ、耳元に愚痴を吐かれ続ければ、聞かされる方も当然精神力を消耗する。アルがちょうど家を訪ねてきたメープルに助けを求めたのは自然な流れだった。
そして救援要請はモノムーに託される形でカフェに届けられ、知らせを耳に入れたマックスは……何故か琴牙を連れて戻ってきたのだった。
ぐすん、と鼻を鳴らす音がドアの向こうから聞こえた。
「もふもふ~……ねえ、まだ戻ってこないの~……」
泣き言に続いた返答は誤解のしようがない、彼女の意見に同意する一言だった。
マックスが苦い表情を浮かべたのをアルは見逃さなかった。シャワーを浴びることを口実に“自分の番”を後回しにさせる形でその場から逃げ出したものの、客人かつ部外者の琴牙に彼女が迷惑をかけることはやはり心配だったのか戻ってきた、その選択に潜む間違いにようやく気づいたらしい。
グラスを静かに床へ置いて、続いて座り姿勢をまっすぐに直す。暑さの残滓は既にマックスの意識の中にはない。
「……アル。そろそろ潮時だ、睡眠弾用意しとけ」
「いいんですか? お客さんの前ですよ?」
「これ以上引っ張ったら明日の仕事に支障が出る、俺もエリーも。早く寝かしつけといた方がいいだろ」
「だから琴牙さんは」
「泊まる部屋ならニーナとクラウに用意させた、後で案内させとけ」
先に2階へ行かせた技術者とエーフィを名指ししながらマックスが立ち上がったのと、リビングのドアが開いたのが、まさに同時だった。
廊下の静寂が一気に気まずい色を帯びる。
真夜中の騒がしい追いかけっこは数十分で一応の決着を見た。
マックスが根負けする形で。
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時間切れなので投稿するけど何か歯切れが悪い気がするので、多分後で加筆します。
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HN:
Rista
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性別:
非公開
自己紹介:
化屋月華堂(親サイト)&カフェ「パーティ」(子サイト)管理人。今のところ活動は後者の方が活発。
一応今は社会人なので控えめに動いてるつもりだが、その割に子供じみた言動も多々ある。自覚あり。
ちなみにブログ名は“カフェパにのめり込んで離れられなくなった人”を指す造語に由来。
あなたは大丈夫ですか?
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