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Party Syndromeの現場に踊る足跡の記録。


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続き。
(長文注意。「続きを読む」ではなくタイトルをクリックすることを勧める)

チャット上で話を進めたくても時間制限がシビアすぎて何も出来ない。
でも状況は確実に、リアルタイム会話で進めるべき時に来ている。
ブログで何か進めようにも全く文章がまとまらないのがその証拠。……つまり、場外で出来ることが尽きかけてるんじゃないかってこと。
腹が立つなぁ……

----------

 カフェで一悶着あって、逃げ帰った鬼が疲れ果てて眠った……その翌日。

「ミーコちゃん。」
 巳琴がリスタの部屋を訪ねてきたのは昼頃のことだった。
「今日は一緒に手伝ってほしいことがあるの。ホラ、着替えて着替えて~。」
 唐突な「お願い」に困惑する彼女へ、巳琴はその胸に抱えていたものを手渡した。
 後で分かったことだがそれはブリーダーの作業服一式だったらしい。何かのロゴが入った朱色のエプロンとバンダナが添えられている。
「さ、早く着替えましょう?」
「……そんなに急がなきゃいけないものなの?」
 相手の退室を待つ意味で手を止めていたリスタに、今度は両手が差し出される。そのまま有無を言わさず服を替えさせられることになった。

 ブリーダーの服装、というより完全にコスプレの様相を呈しているリスタが連れてこられたのは、シオンタウンの町中に作られた施設だった。
 巳琴はここがポケモンの孤児院であることを説明してから、一人先に中へ入っていった。
『わ!みことねーちゃんいらっしゃーい!』
『いらっしゃーいw』
「みんな元気にしてた?」
『うん!』
 はしゃぐ声はどれもポケモンの鳴き声である。孤児院と言うからには、彼らは野生ではないのだろう。人間を「おや」に持ったが何らかの事情でパートナーを失い、下手に人間と関わったために野生に返すのも困難になったポケモン。あるいは血縁上の親を失い、野生の環境では生きていけないポケモンたちの保護施設、といったところか。
 リスタの記憶の中で、それは知らない世界ではない。
 以前――最初のカフェが出来て間もない頃――に自分は似たような施設を訪れ、身寄りのないタマゴを引き取ったことがある。
「いつもありがとう、巳琴さん。あら、そちらの方は?」
 出迎えの中にいたルージュラが、まだ外に立っているリスタに気づいて声をかけてきた。
 ルージュラは通訳なしでも「人間のような言葉を話す」と図鑑に書かれている。確か意味不明ともあった気がするが、目の前に立っている個体の言葉は訓練でも積んだのか、ちゃんと意味のある言葉に聞こえた。
「こちらミコちゃん。いまウチに住んでるの。」
 巳琴が紹介するやいなや、
「あら…いらっしゃい。私ここを任されているオーロラっていうの、よろしくね?」
 ルージュラは自己紹介を返しながら両腕をリスタの肩に回してくる。
 ここでも同じような調子なのか、と彼女は内心思った。海の向こうの国ではキス&ハグが当たり前に行われているらしいが、さすがに初対面の相手とはもう少し距離を取るはずだ。
 幸いなことに、オーロラは軽いハグだけにしてすぐ離れてくれた。が、
「この子たち、やんちゃだけど大目に見てあげてね?」
 ついでのような一言が本日の仕事内容を言外に説明していた。
 ということは。
『よろしくー!』
 考える間もなく、今度はリザードンが飛びついてきた。さっき最初の挨拶に加わっていた一匹だ。他のポケモンたちも一緒になってリスタにまとわりついてくるのだが、そのリザードンが体格の割に言動、特に動きが子供っぽいことに妙な違和感を覚えた。
 エスパータイプの勘で察したのか、すかさずオーロラの説明が入った。
「その子、事故で記憶喪失になっちゃって…。」
 いわゆる全生活史健忘。
 それも自分の身元や誰かとの思い出といったエピソード記憶だけでなく、生活の仕方も含めて丸ごと頭の中がリセットされた、かなり重度のケースであるらしい。なるほど、これでは自然に帰す方が無理がある。
 ……ここまで考えて、リスタは自分が思いの外冷静になっていることに気づいた。症状の分析なんてしている場合じゃないのに。
「たまにウチのみんなとも遊ぶのよ。青空学校にもいったりしてるの。」
 同じくハグを交わす巳琴は慣れたものだ。そのままポケモンたちを外へ送り出し、自らも遊びの輪に加わる。
 もちろんリスタを引っ張り込むことも忘れなかった。



「つまり『バトルがしたいから全員集めろ』ってこと? また唐突ねえ。いったいどうしてそんなことになったの」
「それが僕もよく分からなくて……」
 雑貨屋の店先に座るニューラと、箱の上に乗ったムックルが、捕食者と獲物のにらみ合いではなく普通に会話している。時は昼下がり。店にとって暇な時間帯なので、通りすがる人間たちから見ても特に不自然さはなかった――もちろんムックルが本来カントーにいないことを差し引けばの話だが。
 しかしのどかな雰囲気に反し、表情と会話の内容は真剣なものだった。
「琴牙は本当に、全員って言ったのね?」
「うん。『リスタの手持ち』指定で『できるだけ連れてきてくれ』って。無理ならバトルが出来る子だけでいいとも言ってたけど」
「できるだけ、ってことは1匹2匹いればいいってわけじゃないのね」
 クロウズはようやく理解した面持ちでうなずいた。持ってきた伝言を伝えながらやはりどこか怯えている八雲が、自分のかぎ爪を気にしているのだと気づいて、さりげなく後ろ手にやっておく。
「リスタPT限定ならカントーとジョウトだけ声をかければいいか。分かったわ、招集かけとく」
「え、ホウエンはいいの?」
「メアリーちゃんなら今、アルが迎えに行ってる。今日にはジョウトに着く予定よ」
「そうだったんだ……」
「アタシたちだって、ただ嫌になって別れてたわけじゃないのよ。危険が去ったんだから、これ以上疎開させててもしょうがないでしょ?」
 お金もかかるし。人通りの少ない表を見ながらクロウズは笑う。
 耳の形に体格に声色、ポケモン学的に十分すぎる証拠を揃えた確かな雄の個体なのに、その言葉と仕草はやっぱり雌のようだった。
「ついでにまりもちゃんも引き取ってシンオウに送ることになってるから。そっちで何かあったらよろしくって、そうね、蓮歌あたりに伝えといて」

 収束。
 再会。
 散り散りになっていた仲間が一つに集まり、一つにまとまることを誰よりも喜びそうな、喜ぶべき人物は、まだ誰のそばにもいない。

 私を置いて行かないで。
 一人にしないで。
 今までのすべての暴走を集約すると、たった一言の悲鳴へと至る。

「あの子は迷子なんだ。何度も同じ分かれ道に直面して、そのたびに間違った方の道しか選べなかった。もう一方を選べばその先は地獄しかない、そう刷り込まれていたから。……だからこそ何度でも同じ場所に戻ってきてしまう」
 対外的には自称幽霊、同じ顔で時に神をも名乗ってみせる少年は、その両目で島を囲む水平線を見つめる。
「あの子が欲しがっていたのは『変わらない場所』。変わらないってことはつまり停滞、成長しないってことでもあるけど、保存、何も失われないという意味でもある。そう、永遠に。……本来あの場所が作られた目的は『すべての出来事を楽しむ』ためだし、そこにはもちろん『すべての変化』も入ってなきゃおかしいんだけどね?」
 少年の四方にそれぞれ寝そべり、あるいは座る4匹のポケモンは口を開かない。少年の足元にいる1匹もまた黙している。
「だから、安全安心な隠れ場所を探し求めるような考え方は変えてもらわないと、あの子のためにはならないってことさ。でも根拠突きつけて否定しただけじゃあ、それこそ本人が起こしてきた怪異と一緒だ。脅迫と一緒だ。答えになってない」
 いつも少年のそばにいる小鳥はこの場にいない。
 しかし遠く離れた場所で、確かに主人の声を聞いていた。傍らのニューラと会話しながら拾っているので、どこまで伝わっているかは分からないが。
「僕らは彼女を信じなかった。みんな忘れてるみたいだけど、あの夏の事件の時、彼女の『封鎖』を攻撃でこじ開けるよう指示したのは僕ら統轄本部だ。みんなはそれに乗っかっただけ。……あの子が何度も僕らを狙って襲いかかってきたのは、本当はとても正しいんだよ。彼女が正しく恨みを晴らすべき相手なんだから」

 終息。
 再開。
 凍結から解き放たれた世界に待つのが暖かく迎え入れる者だけとは限らない、だからこそ、安心して逃げ込める場所が彼女には必要とされている。
 それが「場所」なのか「人」なのか……それは今のところ、誰も知らない。

「……恨みを晴らす、かぁ……」
「今、何か言った?」
「ううん、何でもないよ。それより、カントーとジョウトの仲間はいつ頃までに集められそう?」
「そうねぇ……」


----------

前半はほとんどトーストさんが書いた文章の焼き直しになったけど、これは故意に選択したもの。他に表現できることがなかったから。
出来事の続きを書いていくには相手との調整、それこそチャット上でキャラとして話を聞いていくことが必要だけど、そうしたいのにそれが出来ないから。
「口に出された言葉」と「事実起こした行動」を変えようがない以上、付け足すなら内心と解説だろう。結果長文になったけどこれくらいないと書いた気がしなかった。
(最新の記事のは参照しようがなかったし。)
……言い訳ですよね、はい。

後半も長くなったのはscene7に時間を割けなくてBパートを作れなかった反動、ということにしておく。
どこかで書いておきたかったことをここでようやく書けた。
多分、今の自分に出来る下準備はここまでだ。



蛇足。

出来事ややり方が昔の通りに戻ることは絶対にない。
戻ることがあるとすれば「自分の守備範囲外のことでも無視せずに話の種に出来る心の余裕」くらいだろう。

せっかく持ち込まれた話の種を、分からないからといって拾いに行かないのを見て、「もったいない」と思うことが時折ある。今に始まったことではなく以前から。
詳細を知らないからこそ、分からないからこそ、出来る「話の広げ方」があるのに。
ボケるチャンスでもツッコむチャンスでもあるのに。
それがどんな形であれ、自分の話を拾ってくれて喜ばない人がいるわけないのに。
(まあ、自分でも拾い切れてないんだから説得力ないのは分かってるけど)

もちろん「今のカフェに出来る」ことを探して、今の状況に即した楽しみ方をしようと、PLとしては心がけている。
キャラクターの思惑にPLの意志は反映されていない……はずなんだけど、人にはどこまで見抜かれているんだろう。
あるいはどこからか誤解されているんだろうか?
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自己紹介:
化屋月華堂(親サイト)&カフェ「パーティ」(子サイト)管理人。今のところ活動は後者の方が活発。
一応今は社会人なので控えめに動いてるつもりだが、その割に子供じみた言動も多々ある。自覚あり。

ちなみにブログ名は“カフェパにのめり込んで離れられなくなった人”を指す造語に由来。
あなたは大丈夫ですか?
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