Party Syndromeの現場に踊る足跡の記録。
続き。
顔を出せなくてもカフェのログは残っている限り全部チェックしてます。
顔を出せなくてもカフェのログは残っている限り全部チェックしてます。
----------
その日の夜、琴牙が双子のイーブイを連れて帰ってきた。
よその家から預かってきた姉弟だという。興味を持って訊いたわけではなく、ポケモンたちが話しているのをたまたま聞いたことで彼女は新たな客人の出現を知った。
(いかにもあのドーブルがやりそうなことね……)
廊下にまで漏れ聞こえるはしゃぎ声から逃げるようにその部屋を通り過ぎながら、彼女は相棒の外泊を渋るトレーナーを強引に口説き落とす琴牙の姿を想像した。最近の彼がカフェでどういった行動に出ているかは知らない。しかし「自分のやり方が誰相手でも通じると思っている」という印象が正しければ、カフェでその路線を自重しているとはとても思えなかった。
現実には当のポケモンの方がお泊まりを熱望しての来訪だったという。
そのことを知ったのは翌日の朝食の席だった。例によって全員集合の中に放り込まれ、どこを見ても夢中になってホットケーキをかじりつくポケモンたち、という状況下。騒がしい食卓の上でも皆がそれなりに注目する話題であれば、その話だけは伝搬の形を取って聞こえてきた。
(……あぁ、あれか。昨日連れて来たっていうのは)
彼女自身の食事のペースは遅い。一時期のような完全拒否はしなくなったが、食が細いのかと人から思われる程度に抑えられている。本人にとっては周囲が慌ただしすぎるだけのように感じていたので、これから降りかかる災難を予期してか食事が進まないイーブイの姿はよく目立って見えた。
(あれでよくトレーナーも預ける気になったわ……)
隣ではしゃいでいるもう1匹のイーブイをしきりに気にするその様子から、想像していた状況を大雑把に修正してみる。ここへ来たのは明るい方の一存。沈んだ顔の方は乗り気ではなかったが、片割れと離れることをためらって仕方なくついてきた、といったところだろう。
「ごちそうさま」と後片付けの後、彼ら家族と滞在者は思い思いに散っていく。イーブイたちもどこかに連れて行かれたようだったが、その行方までは彼女が知ることはできなかった。
そんな彼女は、裸足で庭を歩いたあの夜以来、雨が降るたびにわざわざ外へ出るようになった。
自分が何をしても何を言っても、少なくともポケモンたちは月並みな心配を口にするだけで、理由までは追及してこない。
向こうが何もしてこないならこちらもおとなしくしておこう。仮の結論をそこに定めたが、向けられる視線への警戒は一応怠らずにいる。誰かが飛びついてきたときなどは右手の刃を向けることを忘れなかった。
自慢の毛並みに傷がつくところだった? 毛なんてどうせまた伸びるじゃない。
そんな風にすさんだ心も、雨に打たれている間は多少落ち着くらしい。天気が回復するか無理矢理連れ戻されるか、あるいは気が済むまで外に立っていた。ほとんど野外生活で冬を越してきた彼女にとって、この季節での体温低下など心配のうちに入らない。
相変わらず笑顔を見せることはないけれど。
時々、どこか懐かしそうな表情で、降り注ぐ水滴の来た道を見上げていた。
----------
新たな客人は当然、別のPLさんが権利を有しているわけで。
無許可というかまず伺いを立てられる状況じゃなかったので、下手に使うわけにもいかない。
こういう場合の扱いって難しいなぁ……
Q:何故雨だと外へ?
A:彼女なりに思い入れと必要性があるようです。
Q:雪の場合は?
A:部屋に引きこもります。
その日の夜、琴牙が双子のイーブイを連れて帰ってきた。
よその家から預かってきた姉弟だという。興味を持って訊いたわけではなく、ポケモンたちが話しているのをたまたま聞いたことで彼女は新たな客人の出現を知った。
(いかにもあのドーブルがやりそうなことね……)
廊下にまで漏れ聞こえるはしゃぎ声から逃げるようにその部屋を通り過ぎながら、彼女は相棒の外泊を渋るトレーナーを強引に口説き落とす琴牙の姿を想像した。最近の彼がカフェでどういった行動に出ているかは知らない。しかし「自分のやり方が誰相手でも通じると思っている」という印象が正しければ、カフェでその路線を自重しているとはとても思えなかった。
現実には当のポケモンの方がお泊まりを熱望しての来訪だったという。
そのことを知ったのは翌日の朝食の席だった。例によって全員集合の中に放り込まれ、どこを見ても夢中になってホットケーキをかじりつくポケモンたち、という状況下。騒がしい食卓の上でも皆がそれなりに注目する話題であれば、その話だけは伝搬の形を取って聞こえてきた。
(……あぁ、あれか。昨日連れて来たっていうのは)
彼女自身の食事のペースは遅い。一時期のような完全拒否はしなくなったが、食が細いのかと人から思われる程度に抑えられている。本人にとっては周囲が慌ただしすぎるだけのように感じていたので、これから降りかかる災難を予期してか食事が進まないイーブイの姿はよく目立って見えた。
(あれでよくトレーナーも預ける気になったわ……)
隣ではしゃいでいるもう1匹のイーブイをしきりに気にするその様子から、想像していた状況を大雑把に修正してみる。ここへ来たのは明るい方の一存。沈んだ顔の方は乗り気ではなかったが、片割れと離れることをためらって仕方なくついてきた、といったところだろう。
「ごちそうさま」と後片付けの後、彼ら家族と滞在者は思い思いに散っていく。イーブイたちもどこかに連れて行かれたようだったが、その行方までは彼女が知ることはできなかった。
そんな彼女は、裸足で庭を歩いたあの夜以来、雨が降るたびにわざわざ外へ出るようになった。
自分が何をしても何を言っても、少なくともポケモンたちは月並みな心配を口にするだけで、理由までは追及してこない。
向こうが何もしてこないならこちらもおとなしくしておこう。仮の結論をそこに定めたが、向けられる視線への警戒は一応怠らずにいる。誰かが飛びついてきたときなどは右手の刃を向けることを忘れなかった。
自慢の毛並みに傷がつくところだった? 毛なんてどうせまた伸びるじゃない。
そんな風にすさんだ心も、雨に打たれている間は多少落ち着くらしい。天気が回復するか無理矢理連れ戻されるか、あるいは気が済むまで外に立っていた。ほとんど野外生活で冬を越してきた彼女にとって、この季節での体温低下など心配のうちに入らない。
相変わらず笑顔を見せることはないけれど。
時々、どこか懐かしそうな表情で、降り注ぐ水滴の来た道を見上げていた。
----------
新たな客人は当然、別のPLさんが権利を有しているわけで。
無許可というかまず伺いを立てられる状況じゃなかったので、下手に使うわけにもいかない。
こういう場合の扱いって難しいなぁ……
Q:何故雨だと外へ?
A:彼女なりに思い入れと必要性があるようです。
Q:雪の場合は?
A:部屋に引きこもります。
PR
この記事にコメントする
カレンダー
10 | 2024/11 | 12 |
S | M | T | W | T | F | S |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | |||||
3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 |
10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 |
17 | 18 | 19 | 20 | 21 | 22 | 23 |
24 | 25 | 26 | 27 | 28 | 29 | 30 |
プロフィール
HN:
Rista
HP:
性別:
非公開
自己紹介:
化屋月華堂(親サイト)&カフェ「パーティ」(子サイト)管理人。今のところ活動は後者の方が活発。
一応今は社会人なので控えめに動いてるつもりだが、その割に子供じみた言動も多々ある。自覚あり。
ちなみにブログ名は“カフェパにのめり込んで離れられなくなった人”を指す造語に由来。
あなたは大丈夫ですか?
一応今は社会人なので控えめに動いてるつもりだが、その割に子供じみた言動も多々ある。自覚あり。
ちなみにブログ名は“カフェパにのめり込んで離れられなくなった人”を指す造語に由来。
あなたは大丈夫ですか?
最新記事
(09/23)
(07/21)
(07/20)
(04/06)
(03/02)
カテゴリー
最新コメント
[11/22 Terzimkeos]
[11/20 Flezenita]
[11/20 PerikalRuind]
[11/20 MelaceLed]
[11/19 Cartucke]
ブログ内検索
リンク