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Party Syndromeの現場に踊る足跡の記録。


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続き。
以前の彼らの行動を思い出そうとして資料を探した。SSやチャット会話のログを保存しておいてよかったと本気で思う。

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 こちらを見つめてくる紫の獣。
 向こうは語りかけてくる以上のことをしない。しかし表情のない視線が、一方的に投げかけられる言葉が恐ろしくて、彼女は抵抗に移れない。

――…ダレカヲキズツケテ、ソレデアナタハタノシイノ?

 頭の奥を声がよぎった。それは記憶の中から浮かび上がってきたもので、この家へ連れて来られた最初の日に聞いた言葉だった。
 そのときにも見た強い視線を思い出して恐ろしくなり、一歩遅れて言葉の意味を大雑把ながら理解して戦慄する。その間に、

『─ソンナニキライナラ、ワタシハイナイホウガイイワヨネ。─』

 紫の獣は一方的な会話を一方的に打ち切って部屋を出て行った。



 その後、別のポケモンが世話をしに部屋を訪れたときも、彼女は恐怖と警戒の視線を隠そうともしなかった。
 抵抗せずにいたら黙って出て行った、というシャドーの事例を他の相手にも期待したのかもしれない。あるいはもっと単純に、誰に対しても全く同じ理由で怯えていたのだろうか。

 琴牙が兄姉や友人から借りてきたポケモンたちは、いずれも彼女にとって見覚えのある種類だった。見覚えどころの話ではない。何年も苦楽をともにした仲間のことを彼女は忘れていなかったし、誰もいない暇な時間に昔のことを思い出す余裕も少しずつ出てきた。
 たとえば、ヤミラミの姿を見ているときに。

――ゆっくりでいい、思い出せ。みんなが何のためにわざわざ駆けつけて、お前を説得しようとしてたのか。

 遠い世界から呼びかける声が脳裏に浮かぶ。その時は何かのショックで頭の中が真っ白になっていた気がする、ああそうだ、自分が怒ってる理由が分からなくなった時にそんなことを言われたんだ。
 茫然自失に至る直前のことを思い出す。大勢の人やポケモンが口々に何かを言っていた、自分が威嚇しても怯まずに。それはどこか哀しみと暖かさにあふれていて……

 が、

――自分が育てたポケモンは自分を裏切らない、常に味方してくれるって、まさか本気で信じていたのかなあ?

 よみがえった記憶は必ずといっていいほど、地獄のような記憶をも芋づる式に呼び込んでいた。仲間の笑顔に「あの人」の底意地の悪い笑みが重なった瞬間、薄れかけていた恐怖が再び鮮明になるのだ。

 その結果。
 安静にしている分だけ体力の回復は早かったが、依然として食欲は落ちたままで。
(この人選は絶対に悪意よ。最初から私を苦しめるためにやっているんだ……!)
 琴牙の心中など露知らず、シャドーが隣に座ることのなくなった夜も、彼女はやはり悪夢にうなされ続けたのだった。


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今回のを書いていくにあたって、1年前の集団説得のログを読み返した。
よく直視できたなと我ながら思う。

そのときも彼女は人の話なんか聞いていなくて、自分の考えと記憶にだけとらわれていた。
常連客の皆が繰り出した正論の積み重ねに敗れ去った結果、彼女は怒りの矛先と生きる目的とを見失い、生きようとする気力さえも一度は失ってしまった。
もしバケモノの膨大な“気”を当てられていなかったら、今もまだ抜け殻のままだったか、もっとひどい結果になっていたのかもしれない。

ifの話でさえも前向きなifが出てこないこの悲しさ。
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自己紹介:
化屋月華堂(親サイト)&カフェ「パーティ」(子サイト)管理人。今のところ活動は後者の方が活発。
一応今は社会人なので控えめに動いてるつもりだが、その割に子供じみた言動も多々ある。自覚あり。

ちなみにブログ名は“カフェパにのめり込んで離れられなくなった人”を指す造語に由来。
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