Party Syndromeの現場に踊る足跡の記録。
もちろん前回の続き。
明日は多分夜に書けないと思うので、少し間が空く予定。
それだけじゃ面白くないので一応近況を書いておくと。
連休中は最終日以外ずっと忙しかったです。疲れ果てて5日はあんまり動けなかった。
あと、6日はSHカフェに行ってきました。(※一人で。平日だし。でも現地で知り合いにまさかの遭遇)
……そんなんでよくあんな情緒不安定SS書けたなと今更思う。
明日は多分夜に書けないと思うので、少し間が空く予定。
それだけじゃ面白くないので一応近況を書いておくと。
連休中は最終日以外ずっと忙しかったです。疲れ果てて5日はあんまり動けなかった。
あと、6日はSHカフェに行ってきました。(※一人で。平日だし。でも現地で知り合いにまさかの遭遇)
……そんなんでよくあんな情緒不安定SS書けたなと今更思う。
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個人宅としてはやたら広い建物を上に下に、前に後ろに、右に左に歩き回る。
非常灯は怪物の影を作らない。たとえそのすぐそばに立っていても光が体を通り抜けているので、見る人はそこに誰かがいるなど疑問にも思わないはずだった。
「水場が多い…飲み水でも探してるのかな?」
外出から戻ってきたらしい琴牙とシャドーがすぐ近くを通った際は、曲がり角の陰に隠れて彼らの進行方向を見定め、すぐさま離れることでかろうじて発見を逃れた。それでも、
(意外と早く見つかったわね……)
密かに歯がみする。夜中に起きてくる者がいる可能性は一応考慮に入れていたが、もう自分が部屋を出たことに気づかれるとは。
次に行き着いたキッチンで片手を水に浸しながら、怪物は次を考える。
一番欲しかったものは既に見つけた。忍び込んだ部屋で見つけた誰かの日記の中に。不在の持ち主が戻ってくることを警戒して全文は読まなかったが、目を通せた一節が本人にとっては十分すぎる収穫だった。
(何が・・・よ。全部知っててやってるんじゃない……!)
考えた結果、彼女は行動の方針を変えることにした。
ここまでは攪乱も兼ねて適当な順番で部屋を探っていたが、翌朝になって他の家族も動き出せば見つかりやすくなるだろう。ならばその前に先へ進むまで。
目指すは……
――人は誇示したいものを上へ、見られたくないものを下へ置くものだ。
それは遠い日の記憶。
自分を因縁の場所に誘った男は、迷うことなく隠し階段への扉を開く。
――上へ積み増せば容易に気づかれるが、下へはいくらでも深く作れる。貴様が探しているものは何だ、思い出してみろ……それは地下にあったのではないか?
その理論がどこまで正しいのかは分からなかったが、その時進んだ先には確かに、あまり喜ばしくない再会が待っていた。
自分を最初に追い詰めたものが、正確にはその残骸が、確かにそこに。
――もう一度だけ聞く。その選択を覆す気は、無いんだな?
炎に包まれる世界の中で、男がまとうコートが純白の翼のようにはためく……
『ミコおねーちゃーん。』
「ミコさーん、出てきてくださいよー?」
「かくれんぼもここまで本格的やと、こまったもんやねぇ…。」
朝になって起きてきた人やポケモンが探し回っている間、怪物が廊下に出ることはなかった。
その頃には既に目的地にたどり着いていたのだ。
(そう簡単に尻尾を出すわけがない、でも必ず何かがあるはず)
棟内にある研究所のエリアで、彼女は部屋を出入りする人やポケモンを観察していた。
しかし期待に反して怪しい点は見つからなかった。日が暮れた後、住人たちの夕食時を狙って怪物は部屋を後にした。
人目を避けて遠回りを繰り返しながら辿り着いた先は、地下のバトルスタジアムに隣接する倉庫だった。
それなりに広く設備も整ったフィールドを持っているのはさすがポケモン研究所といったところだが、そちらの方面にまで彼女が考えを巡らせることはない。ついでに倉庫の中身も大半は一瞥しただけで終わらせた。
何か怪しげなものを隠しているんじゃないか。
あやふやな疑いの目を頼りに、物音で外に存在を悟らせないよう慎重に、邪魔な物を一つずつ動かしていく。
時折フラッシュバックする過去の苦痛が、潜める息をさらに詰まらせる。
窓のない地下室――ただそれだけしか共通点がないのに。
(見あたらない……ここじゃないとしたら、考えられるのは、)
記憶に刻み込んだ地図を何度もたどり直していた彼女は。
背後から聞こえてくる崩落の予兆に、気づかなかった。
遠のく意識と鈍い痛みの間に、怪物は苦く悲しい鳥籠の夢を見る……
----------
今更な話も、皆が忘れ去っているような話も、誰にも話していないような話も。
全部を一本線につなげてようやく見えてくる因果もある。
ちなみに、気を失うともちろん呪縛は解けます。維持したくてもできないんだから。
個人宅としてはやたら広い建物を上に下に、前に後ろに、右に左に歩き回る。
非常灯は怪物の影を作らない。たとえそのすぐそばに立っていても光が体を通り抜けているので、見る人はそこに誰かがいるなど疑問にも思わないはずだった。
「水場が多い…飲み水でも探してるのかな?」
外出から戻ってきたらしい琴牙とシャドーがすぐ近くを通った際は、曲がり角の陰に隠れて彼らの進行方向を見定め、すぐさま離れることでかろうじて発見を逃れた。それでも、
(意外と早く見つかったわね……)
密かに歯がみする。夜中に起きてくる者がいる可能性は一応考慮に入れていたが、もう自分が部屋を出たことに気づかれるとは。
次に行き着いたキッチンで片手を水に浸しながら、怪物は次を考える。
一番欲しかったものは既に見つけた。忍び込んだ部屋で見つけた誰かの日記の中に。不在の持ち主が戻ってくることを警戒して全文は読まなかったが、目を通せた一節が本人にとっては十分すぎる収穫だった。
(何が・・・よ。全部知っててやってるんじゃない……!)
考えた結果、彼女は行動の方針を変えることにした。
ここまでは攪乱も兼ねて適当な順番で部屋を探っていたが、翌朝になって他の家族も動き出せば見つかりやすくなるだろう。ならばその前に先へ進むまで。
目指すは……
――人は誇示したいものを上へ、見られたくないものを下へ置くものだ。
それは遠い日の記憶。
自分を因縁の場所に誘った男は、迷うことなく隠し階段への扉を開く。
――上へ積み増せば容易に気づかれるが、下へはいくらでも深く作れる。貴様が探しているものは何だ、思い出してみろ……それは地下にあったのではないか?
その理論がどこまで正しいのかは分からなかったが、その時進んだ先には確かに、あまり喜ばしくない再会が待っていた。
自分を最初に追い詰めたものが、正確にはその残骸が、確かにそこに。
――もう一度だけ聞く。その選択を覆す気は、無いんだな?
炎に包まれる世界の中で、男がまとうコートが純白の翼のようにはためく……
『ミコおねーちゃーん。』
「ミコさーん、出てきてくださいよー?」
「かくれんぼもここまで本格的やと、こまったもんやねぇ…。」
朝になって起きてきた人やポケモンが探し回っている間、怪物が廊下に出ることはなかった。
その頃には既に目的地にたどり着いていたのだ。
(そう簡単に尻尾を出すわけがない、でも必ず何かがあるはず)
棟内にある研究所のエリアで、彼女は部屋を出入りする人やポケモンを観察していた。
しかし期待に反して怪しい点は見つからなかった。日が暮れた後、住人たちの夕食時を狙って怪物は部屋を後にした。
人目を避けて遠回りを繰り返しながら辿り着いた先は、地下のバトルスタジアムに隣接する倉庫だった。
それなりに広く設備も整ったフィールドを持っているのはさすがポケモン研究所といったところだが、そちらの方面にまで彼女が考えを巡らせることはない。ついでに倉庫の中身も大半は一瞥しただけで終わらせた。
何か怪しげなものを隠しているんじゃないか。
あやふやな疑いの目を頼りに、物音で外に存在を悟らせないよう慎重に、邪魔な物を一つずつ動かしていく。
時折フラッシュバックする過去の苦痛が、潜める息をさらに詰まらせる。
窓のない地下室――ただそれだけしか共通点がないのに。
(見あたらない……ここじゃないとしたら、考えられるのは、)
記憶に刻み込んだ地図を何度もたどり直していた彼女は。
背後から聞こえてくる崩落の予兆に、気づかなかった。
遠のく意識と鈍い痛みの間に、怪物は苦く悲しい鳥籠の夢を見る……
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今更な話も、皆が忘れ去っているような話も、誰にも話していないような話も。
全部を一本線につなげてようやく見えてくる因果もある。
ちなみに、気を失うともちろん呪縛は解けます。維持したくてもできないんだから。
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非公開
自己紹介:
化屋月華堂(親サイト)&カフェ「パーティ」(子サイト)管理人。今のところ活動は後者の方が活発。
一応今は社会人なので控えめに動いてるつもりだが、その割に子供じみた言動も多々ある。自覚あり。
ちなみにブログ名は“カフェパにのめり込んで離れられなくなった人”を指す造語に由来。
あなたは大丈夫ですか?
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